まだ誰も知らない、山小屋についての話

早稲田大学天文同好会WAXA55期。現WAXA山小屋管理人。山小屋から考える「どう生きるか」を自分なりに発信できればいいなと思っています。

オリオンが輝く厳冬の野辺山

1. はじめに

    年が明けて都内も寒さが一層厳しくなり、朝がつらい日が続いている。それとは反対に空や海は夏よりも格段に澄み渡り、少しくらい郊外に行けば冬のダイヤモンドが輝いて見える。そんな中、もといた天文サークルのメンバーを引き連れて長野まで星空を見に行ったのはもうすでに一か月以上も前のことになる。野辺山の晴れ渡った空に広がる星々に心惹かれたあの遠征について、今回は書きたいと思う。

 

2. 観測場所

 今回の観測場所は長野県の野辺山。車だと都心から首都高速中央自動車道を乗り継いでおよそ2時間半ほどで行くことができる。休憩を合わせてだいたい3時間といったところだろうか。慣れない右からの車線変更、不意打ちで現れる白バイ、半ばサーキットと化した中央道、高速を降りた後の急カーブの多い山道…一泊二日の割に合わない疲れはここから来るのだろうか…(まあ運転自体はかなり好きなので全然いいのだが)

 この観測場所だが、実は電車でも行くことができ、JR小海線の駅から50分ほど歩くと辿り着くことができる。徒歩50分が近いのか遠いのかは別として、ここまでアクセスが良いのもなかなか珍しい。というのも(個人的な偏見だが)、日本で星が綺麗な場所というのは電車などの公共機関では行きづらいことが多く、特に海辺だと到着したところで崖などで足場がかなり悪かったり、たまに心霊スポットだったりと心安らかに星空を見られる場所は意外と少ないのかもしれない。自分もかつて天文サークルで幹部をしていた時に観測会を開くことが何回かあったのだが、やはり苦労したのは場所選びだった気がする。「ちょっと暗い所に行けばどこでも星が見える」ってのはそうっちゃそうなんだけど…

    ちなみにこの野辺山には野辺山宇宙電波観測所があるのでここら辺は観測的にはかなり良いのだろう。南側は甲斐山地、北側は八ヶ岳に囲まれているいわば盆地地形なので、放射冷却が起こる夜は晴れることが多いのも事実。(間違ってたらごめんなさい🙇‍♀️)

    加えて、この遠征に行ったのは12月の話だが、この時の気温は確か氷点下4℃くらい(?) 記憶が正しければ思ったよりは寒くなかったような。流石に夜中3時くらいになると手がかじかむくらいには冷えてきたけど、それでも耐えられないってほどでは無かったと思う。運良くあった近くのコンビニに入って寒さを凌いだりして上手く過ごしていた。野辺山自体は宿泊施設はそこまで充実していないので、泊まるのであれば近くの清里になるのだろうか。あそこは温泉も多いしリゾート地なので。冬の車内泊一酸化炭素中毒の危険もあるらしいし…(震え声)

 

3. 実際に見えた星空

    今回行った観測場所はもうすでに6回目だったのだが、今までで1番と言っていいほど星がよく見えた。恐らくメンバーの日頃の行いが良かったのでしょう😊😊 人と自然に感謝!何枚か写真も撮ったのでここに載せたいと思う。

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左下が雲で覆われてしまったのは残念だが、観測条件は素晴らしく冬の大三角の間を通る見事な天の川も捉えることができた。F値とかISOとかちゃんと覚えておけばよかったな…星空の写真を撮るときは角度とか焦点とかその他諸々全て“だいたい”でやっているので、これからはもう少し考えてやろうと思う😂😂 ちなみにソフトフィルターも使っています。プロトンA(?)ってやつだったような。

    そしてこの天の川をもっと近くで写したのがこちら

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端的に言って「極上」。もっと頑張れば教科書かなんかに載せられるんじゃないか…() とにかくここまではっきり天の川が写ったのは初めてかもしれないし、肉眼でもしっかりと天の川は認識できていた。どうしても夏というイメージがあるので冬に天の川が見えるとなんか不思議な気分。実際、天の川というのは地球を取り巻く銀河を内側から見ていることによって帯状に見えるものを指しているので、空模様さえ良ければ年中観測ができるというのは割と当たり前なのだが、それでもなんだか不思議なものである。

    先ほどの二枚の写真は冬の大三角がメインだったので、今度は違う角度から

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    確か深夜3時ごろだろうか?角度的に冬の大三角はだいぶ沈んでいるので、恐らくそのくらいの時間だと思う。電柱と星空のコラボがこんなに好きなのは自分だけだろうか…? 豚カツとキャベツ並みに切っても切り離せないコラボである(謎)

    この写真の右端の方に写っているW型の星の集まりがカシオペヤ座。一方、左上の方に小さな星がいくつも集まっているものが見えるだろうか?これがいわゆる牡牛座の肩の部分にあたるプレアデス星団。そして左上の端のギリギリに写っている黄色っぽい星がぎょしゃ座のカペラ。近くにあるペルセウス座も紹介したいところだったが、流石に角度が悪すぎた…😂 位置的には、先述のぎょしゃ座のカペラとプレアデス星団を結んだ直線のちょうど上に当たるところにある。(写真だと切れてしまっていて足のところしか写っていない…😂😂)  カシオペア座を使った探し方もあって、“W”の文字の左から2本目の線(つまり“ / “ のこと。文章では説明しづらい笑笑)を伸ばした先にちょうどペルセウス座のγ星があるのでその辺りがペルセウス座である。γ星というのは、その星座で3番目に明るい星という意味である。1つの星座の中に明るい星から順にα星、β星、γ星…とギリシャ文字を振っていくのだが、数学みたいにかっちりした規則ではなく、星座によってはα星が存在しなかったりと割とアバウトである。というか特殊な機械がない限りアバウトにしか決められないのだろう。

 

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    たまには星座を意識して撮ってみようと思って、他のメンバーが酒を飲み始めたときにふいに撮ったものがこちら。真ん中に目立つ柄杓型の星々が北斗七星。その先端を伸ばした先にある目立つ明るい星が北極星である。(写真の左下の隅)

    先ほどのカシオペア座とこの北斗七星を使って全天のかなりの星座を見つけることができるが、何しろ写真がないのでのちに機会に。それにしても本当に綺麗だったな〜😊😊

 

4. 夜が明けて

    歳のせいでオールが出来なくなってしまったと言うのもあろうか、気づいたら寝落ちしていた。朝が明けた時の美しい日の出も天体観測の醍醐味ではあるが起きたのは朝8時。なんなら驚くことに外は雪が舞っている。2017年の最初で最後の雪がちょうどこの時だった。こんだけ体冷やしたんだから温泉にどっぷりつかりたいですよね〜ww的なノリで清里の温泉施設へ。もうね、体がとろとろっと溶けるかと思いましたよ、ホントに。文字通りの温もり、やめられません。

    そういえばこの施設に行くときに、空が晴れだしたので写真を撮っておきました。

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    まだこの時は雪が降っていたが、雲の隙間から晴れ間が顔を覗かせていた。天気雨ならぬ「天気雪」といったところ。星空が好きで星空の魅力を伝えたいがためにこのブログを始めたが、星空というより「空」が好きなんだろう。僕は。特にこういう田舎の空は都会と違って澄んでいるのでより一層好き。

 

5. 終わりに

    ブログを始めたばかりでいきなり言うのも難だが、最近は大学の試験といい就活の準備といいかなり忙しいのであまり星空を見ることが出来ていないのが現状。今回行った野辺山はもちろん、今のところ行きたいと思っているのは馬の背洞門、戦場ヶ原、美ヶ原などなど。(いつ行けるかどうか分からないけど笑) 文章を書くのが下手な僕だったが気づけば3000字を超えていてびっくり。こんな感じで適当な頻度でゆる〜く更新していこうと思う。長い長いブログでしたが、ここまで読んでくれてどうもありがとうございました😊😊